AI組版でラクラク組版。AI赤字修正でスピード修正。

弊社のサービスで、AI組版AI赤字修正というのがあります。

その名のとおり、原稿を入れるだけでAIが組版してくれ、手書きの赤字修正もAIが読み取って修正してくれるというものです。

ぶっちゃけ、普通のAIに材料を投げればある程度はやってくれます。でも、ある程度です。弊社のAI組版とAI赤字修正は、DTP会社としてキチンと流し込み、赤字もキチンと修正します。

雑誌記事4ページ(A4縦)で実際に動かしたので、AIが何をどう判断したのかを、そのまま出してみます。

原稿を入れるだけ、というのはこういうことです

ダミー台紙と、原稿・写真を流し込んだ結果

左が前号から流用したダミーの台紙。本文が□で伏せられた状態です。ここに原稿テキストと写真を渡すと、右になります。

結果は あふれ0・文字欠落0・RGB残り0・フォント欠落0。そのまま入稿用のPDF(PDF/X-4・トンボ付き)まで出ます。

原稿は、ふつうの指示のままでかまいません

テキスト原稿には、ページ数と

```
<P10リード>
<P10キャッチ>
<P12本文>
<P13キャプション>
<P13カコミネーム>
```

といった一般的な指示が入っていれば、上から順番に判定して入れてくれます。特別なタグ付けの作法を覚えてもらう必要はありません。

写真も自動的に入れてくれますし、その際にCMYK変換&補正なんかもできちゃったりします。

よくある「あふれ」は、こうなりました

以下、AIがどう判定しているかです。

1ページ目のキャッチは、34ptで1行14字、2行で28字が上限。枠幅がちょうど14字分しかありません。 ここに29字の原稿が来ました。たった1字オーバーです。 しかも末尾が「……」で、これは途中で割れない文字。だから3行目に丸ごと落ちて、あふれます。 選択肢は3つありました。1字削る/字間を詰める/枠を広げる。字間を詰める案は、必要な詰め量が大きすぎてその行だけ字間が明らかに違って見える。なので枠を右端まで広げ、あわせて微調整して収めました。いちばん見た目が変わらない選択です。

という結果ですが、ここは設計しだいです。

  • よくある「別テキストボックスにあふれ文字を入れて提示する」やり方にもできます
  • 止まってオペレーターの判断を仰ぐ設計にもできます

どの振る舞いにするかを決めておけるのが、汎用のAIに投げるのとの違いです。

そしてそれを申し送りとして出力するところまでがワンセットです。実際に出てきた申し送りが、これです。

[要対応]p10の大見出しが、枠に1字入りきらなかった

  • どこ … p10の大見出し(「栄光に彩られたGT-R伝説!/すべてはここからはじまった……」の2行)
  • 何が … 原稿は29字。枠に入るのは28字(1行14字×2行)。1字あふれて、末尾の「……」が3行目に落ち、紙面に出ませんでした。「……」は途中で割れない文字なので、2行目に1字だけ残すこともできません
  • どうした枠を右へ11mm広げて、2行に収めました。 広げた先は本文の右端までで、版面の外には出していません。文字の大きさと字間は元のままです
  • 見た目 … 2行目が1行目より11mm長くなります。字間は設計どおりなので、詰まって見える行はありません
  • ほかの案 … ①原稿を1字削る(末尾の「……」を「…」に。枠には一切手を入れずに済みますが、原稿の変更なのでこちらでは行っていません)/②枠はそのままで2行目の字間を詰める(その行だけ約7%詰まって見えます)
  • (内部数値:枠幅 476.22→507.39pt、字送り −6/1000em =1字あたり0.07mm)

ポイントは、紙面を見ながら指で差せる書き方になっていることです。「p10の大見出し」「右へ11mm」なら、InDesignを開かない人にも伝わります。pt や em といった内部の数値は、最後に括弧で添えるだけにしています。

「勝手に直して終わり」にはしません。どこの・何が・どうした・見た目はどうなる・ほかに何ができたかを、この形で残します。

恣意的に逆に入れてみたら、AIが気づきました

囲み記事のネームを、わざと前後逆にして渡してみました。AIの判断がこれです。

順番どおりに入れると逆になります。正しく入れるには、中身を読んで判断するしかありません。「デビュー」「2000GTベース」と書いてあるほうが前期型で、紙面では赤い4ドアセダンの写真が付いた上の枠。「マイナーチェンジ」「2ドアハードトップ」が後期型で下の枠——

というふうに、写真とネームの内容を突き合わせてくれました。

ま、マニアでない限りわからないことをAIが指摘してくれる。もちろんここも申し送りされます。

初校が出たら、赤字が戻ってきます

赤字が入った校正紙4ページ

赤字が入った紙が、スキャンPDFで戻ってきます。データではなく、ただの画像です。

うちのAIは校正記号を熟知していますが、赤字というだけあって、赤いところを全部拾ってしまいます。

赤い画素を全部拾うとこうなる

左が赤字紙、右が「赤い画素」だけを抜き出したものです。赤い囲み記事、赤い車体、赤帯、カラーバー、タイトルの丸印——紙面のデザインそのものが赤いので、こうなります。

実際、この4ページで機械が拾った赤い箇所は 40か所。そのうち本当に赤ペンで書かれた指示は 5件でした。残り35件は全部デザインです(ちなみにp11は赤字ゼロでした)。

そこで、元のデザインなのか、新たに入った赤字なのかを判定して、自動修正します。今回入っていた5件はこうでした。

赤字反映
p10 キャッチ「はじ」に線+引出し線で「始」はじまった → まった
p10 キャッチ三点リーダーの指摘最新データでは解消済みのため処置なし
p12 本文「暑」に引出し線+「熱」胸を暑く → 胸を
p13 キャプション「バルブ」「OHC」の間に挿入記号+「D」4バルブOHC → 4バルブDOHC
p13 カコミ2本を括って矢印+「イレカエ」前期/後期の本文を入れ替え

ここでも、申し送りにすべきものは申し送りにします。

「イレカエ」の指示どおりに入れ替えると、写真・見出し・史実のほうと食い違います。赤字の囲みが本文だけだったので本文だけを入れ替えましたが、結果として上の枠(赤い4ドアセダン・前期モデルの見出し)に「2ドアハードトップに変更された」という本文が入ることになります。

こういうとき、AIに「たぶんこっちが正しいだろう」と気を利かせて直させるのがいちばん危ない。なので赤字どおりに反映したうえで、食い違いを表にして申し送り、戻す場合の3案まで添えています。決めるのは人、作業するのは機械です。

修正し終わったら保存してPDFを書き出し。ここまでが自動です。

この続きは次回に

そして赤字修正チェックと検証工程に続くのですが、それはまた色々できるので次回のブログで書きますね。


弊社では、雑誌・カタログの組版から赤字反映、校了前の全件照合までの自動化を一貫してお手伝いしています。「うちの誌面でも出来るか」は、実際のデータでの検証からご相談いただけます。

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